No Art No Life.(夢は私設美術館)⑤ 日本のモネ 金山平三
①「大洞江(テドンガン)洗濯女」1936(昭和11)年作 油彩キャンパス 10号」
②「セーヌ川」(習作)1914~15(大正3~4)年頃 油彩キャンパス 4号
前回お話ししたポートピアホテルでの「兵庫県ゆかりの画家100人展」でハッと息をのむ作品がありました。金山平三さんの「晴れ」でした。その絵で金山平三さんを初めて知りました。そして日本で一番好きな洋画家になりました。
海の青のグラデーションに引き込まれました。そして、隣の「凧揚げ」。青空に無数の凧が揚がって、モネの無数のフランス国旗の絵を思い出しました。そしてそれ以上に空の青に引き込まれました。
そう、日本のモネ!だと思いました。
いつかは、「晴れ」のような青のグラデーションの水面の、奥行のある絵を手に入れたいと願っておりました。そして、ついに見つけたのが、この絵(①)です。
水面の青のグラデーションと空のグラデーションが金山平三さんの真骨頂だと思います。
手前の洗濯している女性たちと少し奥の小舟とはるか向こうの対岸と空への奥行きが、青のグラデーションによってより深く感じます。
金山平三さんは、明治16年神戸に生まれ、東京美術学校(現東京藝術大学)西洋画科を首席で卒業。日本の気候と風土に根ざした風景画や静物画を描き続けた洋画の巨匠です。前回紹介したサンチカにコーナーがある兵庫ゆかりの3大洋画家の一人です。
そしてモネも描いたセーヌ川の習作(②)をヤフオクで見つけました。そういう時は画集で確認します。掲載されていました。で落札しました。大正3年頃に描かれた4号の習作なので粗削りですが、カーブするセーヌ川と緑と曇天が当時のフランスの情景を感じさせてくれます。
きっと、皆様それぞれお気に入りの画家(私の場合はクロード・モネです)がおられると思います。その画家のどこが好きなのか? なぜ好きなのか? を一度整理してみてください。
例えば、「水面」「光が見える」「風が感じられる」「奥行きがある」「肌の色や艶」「離れたら写真のよう」「淡い色」「空間」「無」「空の色」等。そうすると、今見ている絵が心の琴線に触れるのはなぜなのか? が見えてくるのではないかと思います。