No Art No Life.(夢は私設美術館)①
John Asaro「Still Life with Child」「Warm Embrace」
私がArtにハマっていったお話と、皆様のArtの取っ付きにくさの解消の一助になることを願って、このコーナーを進めさせていただけたらと考えております。
もともと、美術館で絵画鑑賞するのが好きでした。新婚旅行ではルーブル美術館・オルセー美術館・オランジュリー美術館でも鑑賞しました。
一番好きな画家が、クロード・モネです。オランジュリーの蓮池の壁画の如き特大の絵画には、時間が経つのも忘れ、没入してしまいました。
そして、それぞれの美術館の売店でポスターを買って、筒に入れて大事に持って帰って、それを額に入れて診療所に飾っておりました。
90年に長女が生まれ、2歳を迎える頃だったと記憶しています。三田で3軒のメガネ店をしている友人が、診療所に飾ってあるポスターを見て「ある喫茶店に良い絵が掛けてあって、きっと先生好きやと思うから見に行きませんか?」と誘ってくれました。
早速2人で、ウッディタウンにある、確か「ペニーレイン」って名前の喫茶店だったと思います。随分前に閉店されていますが、そこにこの絵(①)が飾ってありました。
ひと目見て、撃ち抜かれました。一年後の娘だと思いました。それに版画だというのに、筆のタッチが太くてまるで油絵の様でした。それまで版画というとリトグラフで、ヒロ・ヤマガタやマックナイトしか知らなかったんです。
その上、題名が「子供と共に平穏な暮らし」「子供と一緒の穏やかな人生」というのにも参ってしまいました。
(ところが今回記事にするに当たり辞書を引くと、美術でstill lifeとはなんと静物の意味だと知りました。「子供と静物」ショック!)
それから2度通ってついに購入しました。これが私のArt遍歴の始まりです。
John Asaroさんというサンディエゴを拠点に活動されている画家さんです。この絵に出会うまで全く知りませんでした。そして、この絵がきっかけになりJohn Asaroにハマってしまいました。
3歳離れてつんつるてんの長男が生まれました。ふと立ち寄ったフラワータウンのダイエーの催事会場にこんな絵(②)があるではありませんか! まるで私が息子を抱いて、娘が足に掴まっているようです!
John Asaroさんには、遅くして設けた2人のお嬢さんがいます。姉がAmberで、妹がDevonです。82年に奥様が妊娠されてから、その「妊婦姿」から始まり「1歳の母娘」「2歳の夏の母娘」「2人の姉妹」「13歳の夏」など家族を題材にした、たくさんの油絵を描かれています。
Artの楽しみ方には色々あって当たり前かと思います。ご自身で絵を描いたり、彫刻を彫ったりされることは素晴らしいと思います。鑑賞する側からですと、一番重要なのは、原画を見ることではないかと思っています。
ですので、美術館巡りは大切だと思いますし、審美眼の基準になると思います。
皆様、どしどし美術館に参りましょう! そして素晴らしい作品に出会いましょう! ぜひお気に入りの絵を購入して診療所に飾ってみてください。
毎日大好きな絵を見ながら診療していると、きっと見えて来るものがあると思います。その上、患者さんの癒しになれたら素晴らしいことです。